ごきげん手帖

好きなこと、想うこと。

野々すみ花さんに逢いに、嵐山「時雨殿」へ

10月30日の日曜日、京都は嵐山の時雨殿に伺いました。

 

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(渡月橋を渡らず、川沿いに少し上がったところにあります)

 

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時雨殿は、小倉百人一首の殿堂として知られており(恥ずかしながら存じ上げませんでした)、今回は企画展「宝塚歌劇百人一首」のイベントとして、元宙組トップ娘役の野々すみ花さん(京都出身)のトークショーがあるとのことで初めて訪れました。

 

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(企画展ということで宝塚歌劇の全面協力。入口では、ショーのフィナーレ衣装がお出迎え。下に置いてある説明書きの「ファン…」という字をを見て、てっきりすみ花ちゃんがゲストなので「ファンキー・サンシャイン」の衣装かと思いました。でも、こんなのだったっけ…?と思って見直すと雪組「ファンシー・ガイ」の衣装でした。こんなところで雪組に遭遇、嬉しかったです。そういえば「ナイス・ガイ」という演目あったな…名前が似ていて頭がごっちゃになりました。)

 

 

さて。

野々すみ花さんは、現在女優として活躍されており、

連続テレビ小説「あさが来た」(玉木宏の三味線のお師匠さん)

・「重版出来!

・「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンター(11月12日、ご出演だそうです!)

その他ドラマに舞台にと数多くの作品に出演なさっています。

宝塚ファンでなくても、ご存知の方も多いかもしれません。

 

ファンなどとはおこがましくて言えませんが、わたしは彼女のお芝居が大好きで、ひっそりこっそりと宝塚時代から動向を見守っています。舞台だけでなく、インタビューなどでのお言葉、ブログなどで拝見する文章がとても美しくやわらかで、ひそかに”野々師匠”と尊敬しております。

 

nonosumika.com

 

野々すみ花さんご登壇

美しく上品な藤色のお着物で登場されたすみ花さん。帯も菊の髪飾りも美しくて見とれてしまいました。普段からお着物を着る役が多いこと、日舞やお茶のお稽古をされているとあって姿勢も美しく、また肌の透明感も相まって「わぁ・・・きれい・・・」とうっとり。凛とした表情でしっかりお話をされているかと思えば、ころころと笑ったり照れたりと、かわいらしい方だなぁと改めて思いました。

 

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(会場の様子)

 

宝塚歌劇百人一首について

さて、そんなすみ花ちゃんのトークショー。

時雨殿の館長である吉海直人さんとの対談という形で終始和気あいあいと進められ、すみ花ちゃんの女優としてのお話、楽しく百人一首について学ばせていただきました。

 

そもそも、宝塚歌劇百人一首には切っても切れない縁があり、

宝塚歌劇団(宝塚少女歌劇)の20期生くらいまでの芸名は百人一首から名づけられていた(天津乙女さんなど)

宝塚歌劇には、過去に百人一首歌人である在原業平小野小町紫式部などを題材にした作品がある

 といった内容でした。

 

野々すみ花さんとの関連

 

宝塚歌劇だけでなく、すみ花さんの女優としての出演作品「吉原裏同心」にて演じられた薄墨太夫が

 

「忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで」平兼盛

 

という歌が好きだ、と言って自分の恋心を仄めかすシーンがあったそうです。

そこから「あさが来た」「重版出来」といったドラマで和服姿が多いこと、さらに大変良くお似合いになることなど(吉海館長はこれらのドラマを偶然ご覧になっていたようで、すっかり虜だとおっしゃっていました)、すみ花さんファンにも楽しい話題が続きました。

 

また、宝塚時代の出演作「大江山花伝」の藤子役にちなんで感動のラストシーンの台詞を生でご披露いただけるとのサプライズに、会場内は大きな拍手。藤子だから、藤のお着物だったのでしょうか。そんなところも素敵。

 

台本をお持ちだったので、その場で読んでくださるのかと思ってわくわくしていると、

「覚えてるかなぁ~緊張する~!マイクなしでも後ろの方聞こえますか??」

とそわそわ立ち上がるすみ花さん。

「では、館長が茨木童子(主演・大空祐飛さん)で・・・」

と館長に立っていただき、なぜかすたすたとステージから降りて裏へ小走りで出てゆく。皆が驚いていると、なんと走り出てきて、登場シーンから長台詞を丸々演じてくださったのです。

これには全員が驚きで、一瞬小さく歓声が上がったのですが、台詞が始まったとたん会場全体が静まり返り、皆が彼女の演技に引き込まれてゆくのを感じました。本当に、目の前に大空祐飛さん演じる茨木童子が見えました。

文章で書くとなんだか噓のようですが、そのお芝居が終わった瞬間、あれあれと思っている間に涙が頬を伝ってきて自分が泣いているのに気が付きました。こんな体験は初めてで、今でも何だったんだろう・・・とふわふわした気持ちです。それくらい、ほんの数十秒で大江山花伝の世界に引き込まれ、すみ花ちゃんの芝居に圧倒されていたのだと思います。

これは私だけでなく、ふと見まわすと鼻をすする音、涙をぬぐう方・・・あらためてとても素晴らしい体験をさせていただきました。すみ花ちゃん、すごい。

 

裏話として

咲くやこの花」という時代劇のときに吉海館長が監修なさった変体仮名のかるたが、「吉原裏同心」「ととねえちゃん」などNHK作品で多数使われているとのこと。かるたは古くから教養の一つであり、ストーリーを進めるうえで重要な役割を担っているシーンが多数あるとのお話は目からうろこで、これからNHK作品を見るときには注目してしまいそうです。

 

また、吉海館長の

「正直に言うと、子供が百人一首の歌の意味を理解するのは難しい。でも、歌は五七五七七の流れ・音が美しく耳に残りやすい。大人になって、ある時幼いころに覚えた懐かしい歌が頭をよぎる。いろいろな経験を通して成長したとき、初めて意味を理解できるのではないだろうか」

といったことをおっしゃっていたのが印象的です。

美しく豊かな日本語は、たとえその意味を理解できずとも、子供のころに親しむのもよいことだなと思いました。私も、今からでも少しずつ読んでみようかなぁ、と思いました。

 

すみ花ちゃんと万年筆の・・・

トークショー終了後に館内展示を見おわり、帰ろうとしたとき、なんと出口にすみ花ちゃんがいらしてファンの方とご歓談されていました(宝塚時代から応援されている方々らしく、すみ花ちゃんもリラックスしてお話しされているようでした。皆様とても上品で気さくな雰囲気で、「あぁすみ花ちゃんのファンの方も素敵だなぁ・・・」などと思いました。)。

その中に入るのはさすがに恐れ多く、その場を離れ友人の物販購入を待っていると、お話を終えられたすみ花ちゃんが一般の(おそらく初めてすみ花ちゃんにお会いする)方ともお話、サインをされておりました。折角なので…と、お芝居やブログが好きなことをお伝えしたいなと順番を待っていると、話しかけてくださり、サインまでいただいてしまいました。

 

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 (手帳の表紙に…2016年の大切な思い出になりました)

 

こんな機会があると思っていなかったので、持っていたのはいつもの手帳(能率手帳ゴールド)と万年筆(ピンクスーベレーン)。失礼ながらそれらでサインをお願いしたところ、

「素敵な色(な万年筆)で・・・わたしも黄色もってます♪」と!

(思わず「黄色も持ってます・・・!」とハクハクしながら小さく叫んでしまいました)

 

万年筆がお好きなのですか…とおずおずと尋ねると、

「好きです」とお答えいただき、

「またいい色(インク)ですね~^^」

そして同じくピンクスーベレーンを渡す友人に

「わぁ万年筆同盟ですか?」

「あ、こちらは少しペン先が太いですね、(同じ太さと答える友人に)あ、筆圧でですか?」

などと・・・

もうさすがすみ花師匠です。万年筆までお好きだなんて(しかもしっかり使ってらっしゃる感じ)。ますます憧れの存在になってしまいました。

 

”すみ花師匠は、ホワイトトータスをお持ちでいらっしゃる”

 

文具好きとしては本日一番の収穫であったかもしれません。

(ご存知かもしれませんが、ファンの方に教えて差し上げたい・・・)

わたしも、もっともっと万年筆を使おう。

 

すみ花ちゃんのように、素直で凛と柔らかく美しい・・・そんな風に少しでも近づきたいな。

 

さいごに

時雨殿の皆様、そして野々すみ花さま、素敵な一日を過ごさせていただきありがとうございました。本当に、とても貴重なお話を伺えて楽しかったです。

(1人ではきっと勇気が出なかったので、一緒に行ってくれた友人にも感謝です)

 

今日は時雨殿にて開催された「野々すみ花トークショー」のお話でした。

最後までご覧いただきありがとうございました。

 

では、ごきげんよう。

 

 

そういえば、嵯峨嵐山駅近くにあった古本屋さんが素敵で随分長居してしまいました。そして2冊購入。積読がまたまた増えました。

HENRY CUIRのプレゼント企画に当選!

HENRY CUIRといえば、わたしにとっては子供の頃からの憧れの革ブランド。

 

父が長年にわたって愛用しており、所有するものは財布が3つ、靴が2足。そんな父に影響され、わたしは子どものころから10年以上「いつかほしい!」と思い続けておりました。社会人2年目の秋、ちょうど2年前にようやく"My アンリ"を手に入れたのでした。

 

世間では、毎年「ほぼ日手帳」の手帳カバー(ブックカバー)が数量限定で抽選販売されることでも有名になって来ています。ちなみに、抽選は毎年激戦だそうですが、店舗(青山、名古屋、京都、大阪)には季節を問わず同様のものが置いてあります(年度によっては限定モデルもあり、また「ほぼ日版」には糸井重里の刻印がある)。刻印入りがどうしても欲しい方以外は、店舗で買う方が革の表情やステッチの色も選べるのでおすすめです。

女優の石田ゆり子さんもアンリが好きだと、いつかテレビ番組でおっしゃっていました。

 

カタカナで書くとアンリークイールですが、わたしは「アンリ」と呼んでいます。

 

さて、そんな大好きで憧れのアンリ。

先日Instagramにて

「henry cuirでステーショナリーをあてよう!」

というプレゼント企画があり、愛用しているお財布の写真とアンリに対する長年の愛を文章に込めて投稿したところ、なんと当選させていただきました!

投稿母数がそこまで多くはなかったとはいえ、まさか当たるとは…。

(今まで生きてきて一番の幸運だったかもしれない。)

 

9月の終わりに当選のお知らせをいただき、14日までに発送との事でしたので「今日かしら、明日かしら」と、2週間そわそわ。すぐさま喜びを書きたい気持ちもありましたが、「いや、本当だろうか?届くまで信じられない…」と胸に秘め、おとなしくしておりました。

 

そんなふうに2週間が過ぎ、今朝ようやく届きました。

シンプルでしっかり防水対策がなされた包み。さすがアンリです。

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(このテープがすでにかわいい。気持ちがはやり、スマホ写真です。)

 

外袋を開けてみると厳重に包まれたプチプチが登場。

さらにその中には・・・

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中の装いもシックでおしゃれ!プレゼント仕様だとこんな風に包んでいただけるんですね。

紙袋とメッセージカード、定番品のカタログも同封してくださっています。

 

リボンをほどくと見慣れた麻の袋。

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どきどき・・・

 

うっすら透ける色・・・

 

そういえば当選者は3名だったはず。

 

何色だろう

どんな革かしら・・・

 

 

そして

いただいたものがこちらです。

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カードケース(PERDRIX)です。

赤茶色のシボ感の強い革に、空色のわんちゃんのステッチ。

色名のVINACCA(ビナッチャ)について調べてみると、ワインブドウの絞り粕をこう呼ぶとのこと。一見ブラウンに見えるけれど、淡い赤味を感じると思ったらワイン色。ボルドーとはまた異なる、優しい色です。

 

手に取ってみると、とてもやわらかでふわふわ。

実はわたくし、今までシボが多い革をあまり好まなかったのですが、これはなかなかに。いえ、大変良いです。ずっと触っていたくなる不思議な手触り。

自分でならおそらく選ばなかったであろう表情に、思わず新しい扉が開いてしまった・・・

それもこれも、アンリの革が上質だからでしょうか。本当にとても気持ちいいです。

 

わぁぁ・・・大切にします。

 

記念に、ほかの”Myアンリ”と並べておきます。

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 こうならべると、光の加減もあってピンクに見えます。やはり優しい色。

 

これで私のアンリは2つ目です(左奥は父のおさがりなので)。

日々寄り添って、一緒に素敵な思い出を作っていきたいな。

 

ブックカバー、鞄、ブーツ…欲しいものは沢山ありますが、じっくり考えて今後の楽しみにしたいと思います。

 

本当に嬉しいー!

henry cuirのみなさま、ありがとうございました。

 

 

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余談ではございますが、10月の初めに京都で用事があった折に店舗にて当選のご報告をさせていただいたところ、店員さんも一緒に大盛り上がりで喜んでくださいました。本当に感じの良い、素敵な店員さんばかりです^^

神戸店でお世話になっていた方は、神戸店の営業終了とともに名古屋展へ移動になったとお手紙をいただきましたが,

その後お元気だろうか・・・そんなことへも思いを巡らせる一日となりました。

 

MIZUHIKI CHARM (トラベラーズファクトリー)

先の記事の読書会の折、友人より東京のおみやげをいただきました。

 

トラベラーズノートでお馴染み、トラベラーズファクトリーにて販売されているグッズのチャームです。

水引で作られており、その名もMIZUHIKI CHARM。

 

水引というと、やはり華やかなお祝儀袋などのイメージですが、

これはとてもシンプルで可愛い!

 

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(一時期、手作りの水引アクセサリーが流行りましたが、チャームだとなお使いやすいです)

 

 

しかし…

実はわたくし、近頃トラベラーズノートを使用しておりません。

なぜなら、

・厚手の革なためバッグの中で少しかさばる

・現状、持ち歩きノート類は能率手帳ゴールドと三ツ紬手帳で満足している

 

どうしよう。

使用頻度が低いトラベラーズノートに付けても日々愛でられない…。

 

あ。そういえば、

最近三冊目に突入したお手紙帖、ポイント使いに赤を入れていたような…

と、紐にくくりつけてみると…

 

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とても可愛い!

表紙の黄色い革にしっかりと映えて、赤の紐とも統一感が出ています。

これはわくわくどきどきです。

 

そして裏表紙、榛原の和紙の小花柄とも大変よくお似合いです。

和模様に、さらにお洒落な薫りが加わりました。

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ちなみに、このチャームのモチーフは梅の花。

パッケージの裏の記載には、

「春に先駆けて咲く梅は、運命の向上の意味を持ちます」

とのお言葉。トラベラーズノートにはもちろん、お手紙帖にもぴったりです。

 

お手紙生活、ますます華やぎそうです。

素敵なお土産をありがとうございました!

 

 

本日は、トラベラーズファクトリー、MIZUHIKI CHARMのご紹介でした。

 

では、ごきげんよう。

 

↓ 3冊目のお手紙帖は、”カキモリ”さんのオーダーノート。

2016年3月に文具の博覧会@梅田阪急百貨店にて 作成していただきました。

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第2回 読書会「秋の本」

資格試験が終わり、台風も過ぎ(低気圧がどうにも苦手)、ゆっくりと読書ができる日々がこの上なく幸せです。

わたしは通勤時間が長いため家での自由な時間が少なく、もっぱら電車内の時間を読書にあてています。

 

さて、そんな読書の秋な週末。

第2回 読書会を開催しました。

読書会…なんとも高尚な雰囲気でかっこいい響きではございませんか!

 

本来読書会というものは、

・予め読んできた同じ本についてみんなで考察する

ビブリオバトルのように待ち時間を決めてプレゼンをし、「どの本が一番読みたくなったか」を投票する

以上のような形が多いかと思いますが、現状の私たちの読書会は少し異なり、もっとマイペース。

 

各人がお題に合わせて好きな本を持参し、順番に紹介しつつ様々な他の分野の話題にも自由に広がってゆくスタイル。厳密には読書会と言って良いのかわかりませんが、本好きが集まって本を中心に語り合う…本への愛、それだけで十分じゃないか(とわたしは思う)。少しずつ学んだりレベルアップしたり、いずれ様々な形にできたら面白いかなあと思っています。

 

***

余談ですが、

徳間書店から出版されている書籍、その名も「読書会 / 山田正紀恩田陸」はかなり面白かったです。SF作品(スティーブン・キングジャック・フィニイなど)について語られており、ゲストにこの上なく敬愛している漫画家・萩尾望都さんも参加。「萩尾望都は手塚治を継ぐ者」というような言葉には、まさに!と唸ってしまいました。この中でおすすめされていた、「果しなき流れの果に/小松左京」も良かったですし、プロの読書会は語られている内容も書籍もピカイチでございました。

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さて、わたしたち読書会メンバーは3人(今回はお一人が急用で2人でした。次はまた3人で!)。

 

たった3人?

いえいえ、2人でも5時間喋っても話題は尽きないくらいの濃さ!このメンバー程のおしゃべりで多趣味、しかも様々な共通点がある人間がこれ以上いたらパンクしちゃう・・・!好き勝手しゃべるには程よい人数です。

 

 

今回は2人で7冊の紹介となりました。本を中心として、互いに興味がある多くの物事が途切れることなく繋がって、絡まって、網目状に広がっていく瞬間をこの身で体験できました。大変楽しかったです。

 

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マインドマップ風にまとめるとこんな具合になりました)

 

ブログではその一部として、それぞれの推薦書を並べます。

 

第2回読書会推薦書 

友人推薦

・これは王国のかぎ(荻原規子

バルザック小さな中国のお針子(ダイ・シージュ 著、新島進 訳)

・妖怪アパートの幽雅な日常(香月日輪)

・それからスープのことばかり考えて暮らした(吉田篤弘

 (上二冊は音楽、下二冊は食欲の秋にちなんで)

 

わたくし、ユーリ推薦

錦繍宮本輝

・葡萄と郷愁(宮本輝

十二夜ウィリアム・シェイクスピア

 (上二冊はそのまま秋の話、3冊目は”芳醇な、成熟した物語”という点で秋に絡めた)

 

「これは王国のかぎ」の各章の名前が、シェエラザードという、千夜一夜物語をテーマに作曲された曲の楽章名がそのままつかわれていること(独奏ヴァイオリンの主題が大変美しい曲)、「バルザック小さな中国のお針子」の登場人物がヴァイオリンを弾くこと、私が観た舞台化された「十二夜」にて、生のヴァイオリン演奏が舞台上で演奏されていたことから”音楽と物語の関係”へと話は進む。

私が好きなクラシック曲にバッハのゴールドベルク変奏曲という曲があります。そこから、素人には形容しがたいバッハの魅力についてひとつずつ言葉にしてゆく(当方詳しくはありません)。メロディは決してわかりやすくはなく、一回で覚えられるものではなく、しかし聞けば聞く程好きになり、耳から離れない・・・キャッチーでロマンティックなメロディの魅力とは異なる、ひとつひとつの音やフレーズの積み重ねが生む物語なのだろうか・・・。

そんなことを二人で話していたら、

「あれ、それってロミオとジュリエットとは異なる十二夜の魅力じゃない?」となり、

 

十二夜は、バッハのようなシェイクスピアだ」

などという着地点にたどり着きました(あくまで主観です)。

 

二人とも偶然にもシェイクスピアの中では最も十二夜が好きで、ついつい熱くなってしまいました。

 

シェイクスピアといえば、言わずと知れた「ロミオとジュリエット」をはじめ、「マクベス」「リア王」「ハムレット」などなど…その中で、十二夜を比較的少ないのではないでしょうか(かくいう私も昨年舞台を見るまで詳しく知らなかった)。

 

縁あってこのブログを読んでくださった読書好き、またシェイクスピアに興味がある方には、ぜひ十二夜の世界に触れて欲しいと思います。上でも書きましたが、わたし十二夜を「秋の本」として推薦したのは、とても成熟した芳醇な薫りがする作品だから。ただ、それは本ではあまり伝わらないかもしれない。なぜなら十二夜は戯曲だから。舞台を観て実感したが、役者の力量が物を言う作品であると思うから。

この作品に出てくる人物は、みなそれぞれの立場・境遇の中で、真面目に生きている。皆が真剣だからこそ生じるすれ違いが滑稽であり、面白く物悲しい。そう言う作品である。登場人物は1人として死なず、様々なものを背負ってこの後もいきてゆく。そう言った面で、大悲劇による、ある種「終わり!」と突き放される感じがないのだ。

 

・・・難しいことはよいのだ。とにかく

十二夜って素晴らしいんだよーーー!

と大声で叫びたい! もっともっと知られて愛されてもいい作品だと思います。舞台、映像、本、何かの折にきっかけがあればぜひ触れてみてくださいませ^^

 

 

では、本日は十二夜につい・・・ではなく、読書会についての感想でした。

読書の秋、マイペースに楽しんでまいりましょう!

ごきげんよう。

 

***

ちなみにわたしは、紹介にあった「これは王国のかぎ / 荻原規子」に向かっています。

いやはや・・・これは面白い!

ヒロインは失恋ほやほや傷心の15歳(しかも今日は誕生日!)。舞台は現実社会と思いきや、泣きつかれて眠って目覚めて覚めたらそこはアラビアの砂漠?しかもどこかで聞いたランプの精のごとく不思議な力が使えちゃう?シンドバットと大航海?リアルとファンタジーの間で、冒頭から世界観に引き込まれる一冊です。

小中学生にもおすすめしたい!(まだ半分くらいしか読んでいないけれど勧めちゃう。)

こういう作品から入ると、ちょっとしっかりしたヴェルヌ等の冒険小説にもつながりやすいと思う。

ではまた。しばし読書の旅に戻ります。

 

 

 

julia.hatenablog.com

 

資格試験終了。いざ読書の旅へ!

年度初めに目標としていた資格試験が終わりました。

 

julia.hatenablog.com

 

ほっとすると同時に、すでに間違えに気付いている箇所もみつかり、一か月後の結果発表まで落ち着かない日々が続きそうです。

 

社会人になって、はじめて点数で評価されるものの勉強でしたので、久々の緊張感にドキドキしました。そして、ようやくいろいろな知識がつながってきて楽しくなってきたころに試験・・・あと数日あれば!と思ってしまうスロースターター・・・。これからはもう少し計画的に勉強をしよう。

受かっているといいなぁ。

 

 

さて、

試験勉強や旅行、友人の結婚式などで忙しかった9月が終わり、ようやく読書の秋を迎えられそうです。

 

わたしには、季節ごとに毎年読む本が数冊ずつあります。

秋は3冊ほど(また紹介いたしますね!)。

一度読んだら満足させてくれる本も素晴らしいけれど、

「またあの文章に触れたい」

そう思わせてくれる本は素敵だなと思います。

 

来週は友人との読書会も決まっており、楽しい秋の始まりの予感がしています。一人で読むのもいいけれど、人の話を聞くのも面白い。楽しみだ!

 

また、今日は試験終わりに立ち寄った書店で面白そうな本を購入しました。

「THE BOOK OF TREES 系統樹大全:知の世界を可視化するインフォグラス」

マニュエル・リマ(Manuel Lima)著

三中信宏 翻訳

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(この細かさがたまらない。わたしも書きたい。) 

 

フルカラーの大変美しい図版でひとめぼれ!系統樹やメモリーツリーって大好きなんです。

少し見ただけではありますが、歴史的な絵画ともいえる資料(宗教、芸術、家系図)から、コンピューターを用いて作図された最新の研究データまで様々な系統樹が描かれており、見ているだけでも楽しい。データというものは、数値だけを見ていてもわからないことが多くて、やはり図にする事によって新たな発見やひらめきが生まれますよね(身近なものなら家計簿における簡単な円グラフだってそう)。情報をわかりやすく整理し、伝えるための方法について学べるといいな。内容はもちろん、デザイン面でも刺激を得られそうです^^ 

また後日感想を書きますね。

 

 

ブログでは、これからは書評(なんて言えるほどのものではありませんが)も書いていけたらいいな。

 

とにかく今は、本を読みたい。

文章を書きたい。

工作がしたい。

絵をかきたい。

名刺を作りたい。

手紙を書きたい。

いっぱいインプットしたいし、いっぱいアウトプットしたい。

 

わたしはとても欲張りで、やりたいことがありすぎて、選べなくて、自分自身でも本当は何が好きなのかがわからなくなってしまうことがよくある。

こういう気持ちはどこにぶつければよいのか。

とにかく今は、ひとつずつ、向き合っていこう。

 

本日はとりとめのない話になってしまいました。

皆さまも豊かな秋をお過ごしくださいませ。

 

ごきげんよう!

 

 

 

はじめての篆刻

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篆刻とは、篆書を石や金属の素材に刻み、判子とすること。

篆書は漢字の書体のひとつで、現代では日常的に使うものではありませんが、凝った実印などに使われている方もいらっしゃるかもしれません。

 

篆刻による自分だけのはんこ。 

昔の美しい書画の署名部分にみられる印は、その作品をさらに格式高いものにしているようで素敵。また、お手紙上級者な友人が、手紙の最後に捺している印がかっこよくて「いつかわたしも・・・」と、ずっと作りたかったのです。

彫り専門の方に依頼してもよかったのですが、ここは昔ながらの手法、自作で!

そんな折、篆刻用の石材をもらう機会があり、道具も何もない中、とりあえず手近にあった手芸用の針で挑戦。

 

① デザイン

まずはデザインを考えます。
篆刻は初体験ですので、まずは一文字にすることに。好きな漢字である「悠」にしました。手紙の最後に捺しても、なんだかここからも続いていくような感じがしていいかなと。書体を参考にできる本などがあれば良いのですが、今回はネット検索をし、大まかな書体を確認。自分用なので基本よりも気に入ることを優先して、悠のしたごころが花のように見えるよう書体を整えました。


② 転写

次に、紙を裏写しにして石に黒鉛をつけました(書いたままを刻むと、押したときに逆になってしまうので)。

 

③ そして彫る!

ここからは木版や消しゴム印と同じですが、ある程度彫れたら、一度インクをつけて押す→彫り残しを確認→ふたたび彫る、の繰り返しです。
とても細かい作業ではありますが、少しずつ調整し、1時間程度で完成。

 

こちら

 

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 (縦9.5 mm × 横4 mmと小さめのサイズ。はがきに合いそうです。)

 

もう少しこうしたかった・・・という点は多々ありますが、「初めてにしては上出来かな?」と、わたしの中では満足できる仕上がりになりました。

手紙の最後(ぜひ縦書きで書きたいですね!)に捺して、お手紙時間をより楽しみたいと思います。無くてもいいけれど、あるとちょっと気持ちが豊かになる、そんな遊び心が楽しい。またひとつ、手紙時間が特別なものになりそうです。

少しずつ練習して、いつか大物(3~4 cm角で4字など)にも挑戦したい。そして、今はスタンプ台しか持っていないので、印泥を手にいれたい。かわいい陶器に入った印泥を探してみよう。楽しみは広がるばかり・・・


今日は手紙をより一層豊かにしてくれる、篆刻についてお話ししました。
篆刻用の石材は大変柔らかく、初心者でも結構簡単(木材よりはるかに楽です)。皆さまもぜひ挑戦あれ。無心にコツコツ彫るのはなかなかに楽しい時間でした。

手紙の最後を、自作の判子で締めてみませんか^^

 

では、ごきげんよう!

 

ユーリ
(あっ、ここにも判子を押したい!)

 

 

 

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お手紙帖 ⑥ <手紙体験>

どうして、わたしはこんなに手紙が好きなのだろう。

 

手書きの文字が好きだから?

自分だけに向けられた言葉が嬉しいから?

 

考えるとキリがないほど沢山の理由が浮かぶものの、どこかぼんやりしている。

わたしの中の何かもっと奥深いところ・・・

 

そんな風に思いを馳せていたら、浮かんだ一つの答え。

それは、実際に今までに触れあってきた手紙たちそのもの。

特に記憶をたどるにつれて鮮やかになるのは、幼少時の記憶。

きっと、わたしの手紙に対する思いは、ごくごく当たり前のように接してきた手紙ひとつひとつが培ってきたものなのだと思った。

 

本日はこの、ぼんやりした記憶の中にあるわたしの”手紙体験”について記します。

(よく、読書を語るにあたり「今までにどんな本を読んできたか」ということを振り返るときに”読書体験”という言葉を用いますが、その手紙版として言葉を借りました。)

 

父の置手紙

わたしにとって最も古く、そして大切な手紙体験は「父の置手紙」です。

20年ほど昔のこと。わたしがまだ幼いころ、父は出張や旅行に行くときに必ず置手紙を残してくれていました。

それは、出発の朝の一通だけではありません。

一週間出かけるとすれば毎日分、つまり7通もの手紙が用意されていたのです。

しかも、一気に7通全てを読めるわけではなく、一日一日、毎日家のどこかに隠されている手紙を探すという、言わば”宝探し方式”でした。手紙とは別に”ヒントを記した紙”が用意されており、朝起きたらそれを見て、家の中をうろうろ。幼稚園や小学生低学年の頃だったので見つけたときは大喜び!わたしにとって、まさに手紙は宝物なのでした。

(当日までに見つけないよう、母が隠し持ってておき、毎朝セットしていたようです。)

旅先から絵葉書を送ってくれることもよくありました。子供にとって、自分の名前宛てに手紙が届くこと自体めったにないこと。その上、いつも一緒に住んでいる父から手紙が届くというのは大変非日常なことで、とても嬉しかったのです。

忙しい旅支度の中、家を空ける一週間のわたしを想像して書かれた手紙には、絶対的な愛、といいますか、大きな温もりを感じます。子供とは、こんな風に手紙一枚あるだけで父の不在でも何となく安心するものなんだなと大人になった今思いますし、両親には本当に感謝しています。子バカ(?)かもしれませんが、いま見ても、しみじみと「愛されてるなー」と幸せに浸ってしまいます。

これが、わたしの一番大切な手紙体験。

そして、「手紙=とても嬉しいもの 」という認識をわたしにさせている記憶なのではないかと思うのです。

実は父も切手やポストカードといった手紙好き。自然と手紙の英才教育(?)を受けていたのかもしれません。

 

ちなみにそれらの手紙、手元に9通残っていました。家のどこかにあるのか、捨ててしまったのか・・・。沢山もらったはずなのにこれだけとは、少し寂しいですが、今ある分だけでも失くさないようにとお手紙帖に保存。やはり、失くさないという点においてお手紙帖は優秀です。

 

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(わたしの原点ともいえる手紙たち。大切な宝物です。)

 

 

離れた友人との文通

子供のころ、なぜか仲の良い子に限って、親の転勤に伴って遠方へ転校してしまいまいました。

はじめは確か小学校4年生、つぎは6年生のころ(順番にAちゃん、Bちゃんとします)。

Aちゃんとは習い事も一緒で共通の話題も多く、当時我が家で買ったばかりのFAXで手紙交換をしていました。郵送の手紙ではないものの、手書きの言葉が嬉しくて、しょっちゅう送りあっていたように思います。

そしてBちゃん。引っ越してしばらくたったころ一通の封書が届き、中にはこう書かれていました。

 

「わたしと文通しませんか?」

 

このとき、はじめてわたしは文通という言葉を知りました。正確に言うと、聴いたことはあったかもしれないので、”はじめて認識した”の方が正しいかもしれません。

「手紙交換って、文通っていうんだ。なんだかかっこいい!」

文通という言葉の響きに、ちょっと大人の香りを感じてとてもドキドキしたのを覚えています。学校のこと、友達のこと、他愛もない話題ばかりでしたが、母から切手をもらってポストに入れる。授業中の手紙交換とは明らかに違う面白味と、数枚の紙に伝えたいことを収めなくてはいけないという一種の緊張のようなものがありました。文章から伝わる、見知らぬ学校や人、街の風景を想像するのも楽しかった。

その後、お互い部活に受験勉強にと忙しく自然と途切れたのですが、彼女との文通がなければ子供のころの瑞々しい感覚で手紙というものに触れることはなかったでしょう。

この友人との手紙体験が、今の文通につながっているのだと思います。

 

手紙体験はまだまだあります。

入院中にクラスメイトからもらった手紙、祖父母からの手紙、毎年楽しみにしているある友人の年賀状、ファンレター、Postcrossing、そして現在の文通等・・・いずれ年表にしてまとめてみたいな。

とにもかくにも、沢山の楽しい記憶がわたしの手紙に対する前向きな気持ちにつながっているのだなとあらためて思いました。

ありがとう。

 

まとめ

わたしの手紙好きは、幼いころの”手紙体験”によって形成されたようです!

 

最後まで思い出話にお付き合いいただき、ありがとうございました。

 

ごきげんよう!

 

 

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